内装・建設・製造といった業種の見積もりは、他の業種に比べて手間がかかります。材料を1つずつ拾い出し、単価をかけ、職人が働く日数(人工)を積み上げ、掛け率を反映して……という作業を、案件ごとに行う必要があるからです。1件の見積もりに半日、大きな案件では1日以上かかる、という話も珍しくありません。
今日は、こうした「積算が重い業種」で、時間をどう減らすかについてお話しします。

なぜ積算に時間がかかるのか
理由は大きく3つあります。
1. 材料の種類が多い 内装工事なら、床材、壁材、建具、金物……と、1つの現場で使う材料の種類が多岐にわたります。それぞれ単価が違い、数量も現場ごとに変わります。
2. 掛け率が案件ごとに違う 取引先との関係や、案件の規模、時期によって、掛け率(割引率や割増率)が変わることがあります。これを毎回手作業で調整するのは、地味に時間がかかる作業です。
3. 過去案件を参考にするが、そのまま使えない 似たような案件の見積もりを流用することは多いですが、材料の単価が変わっていたり、規模が違ったりするため、結局1つずつ数字を見直す必要があります。
時間がかかる会社がやっている工夫
積算に時間がかかる会社の多くは、すでにいくつかの工夫をしています。
- 単価表を作っておく:よく使う材料の単価を一覧にしておき、案件ごとに参照する
- テンプレート化する:よくある工事のパターンをテンプレートにしておき、数量だけ差し替える
- 過去の見積もりを保存しておく:似た案件が来たときに、過去のファイルを探して流用する
これらの工夫は確かに時間を減らします。ただ、エクセルでこれをやろうとすると、限界があります。単価表を更新しても、過去に作った見積もりのファイルには反映されません。テンプレートも、コピーして使っているうちに数式が崩れやすくなります(この点は別の記事で詳しくお伝えしています)。過去の見積もりを探す作業自体にも、地味に時間がかかります。
工夫だけでは追いつかなくなるタイミング
単価表やテンプレートといった工夫は、案件数が少ないうちはうまく機能します。ただ、会社が成長して案件数が増えたり、扱う材料の種類が増えたりすると、エクセルベースの工夫には限界が来ます。
単価表を1つのファイルで管理していても、実際に見積もりを作るファイルは案件ごとにコピーして使うことが多く、単価表を更新しても、過去にコピーしたファイルには反映されません。気づかないうちに、古い単価のまま見積もりを出してしまう、ということも起こり得ます。テンプレートも、使っているうちに一部だけ手を加えたくなり、気づけば元のテンプレートとは違うものになっている、ということもよくあります。
こうした「工夫の限界」は、担当者の能力の問題ではなく、エクセルという道具の性質によるものです。1つのファイルの中で完結する分には強い一方、複数の案件・複数の担当者にまたがる情報を一元管理するのは、そもそも得意ではありません。
システムでできること
私たちが作っている見積・請求のシステムは、こうした「積算が重い業種」の実際のやり方を前提に設計しています。
- 単価表を一箇所で管理し、更新すればすぐに新しい見積もりに反映される
- よくある工事のパターンをもとに、材料の積み上げをテンプレート化できる
- 過去の案件を探しやすい形で保存し、必要な部分だけ調整して流用できる
- 掛け率を案件ごとに設定でき、毎回の手計算をなくせる
見積もりができあがれば、注文が決まった時点でそのまま請求書に変換されます。積算にかけていた時間そのものを減らし、さらに請求書への転記の手間もなくす、という組み立てです。
業種ごとのやり方を、そのまま活かす
大切にしているのは、「うちのやり方」を変えなくていいということです。単価表の項目の立て方も、掛け率の考え方も、会社によって細かく違います。それを標準的なフォーマットに合わせ直すのではなく、今のやり方をそのままシステムに反映させます。会社が積み上げてきたノウハウを壊さずに、手間だけを減らす、という考え方です。
なお、見積もりの内容がそのまま請求書になった際には、インボイス制度で定められた記載項目を満たす形式で発行されます。ただし、税率の適用や個別の取引の扱いについての最終的な判断は税務の専門領域になりますので、顧問の税理士の先生にご確認いただくことをお願いしています。制度は変わることがありますので、その都度の確認が安心です。
「積算だけで半日かかっている」「単価表はあるけれど、案件ごとに手直しが必要」といった状態に心当たりがあれば、まずは今の積算のやり方を見せていただくところから始められます。どこにどれだけ時間がかかっているかを一緒に整理する、無料の相談の場を用意しています。お気軽にご相談ください。