請求書を送った後、その控えをどこに、どうやって保存しているか。改めて聞かれると、意外とあいまいな会社が多いのではないでしょうか。「メールの送信済みフォルダに残っている」「プリントアウトしてファイルに綴じている」というだけで済ませているケースも少なくありません。

今日は、請求書の保存についてお話しします。少し法律に関わる話も出てきますが、できるだけ平易な言葉でお伝えします。

請求書の控えを整理された保存先へ移す担当者

請求書には「保存する義務」があります

請求書(見積書や領収書なども含みます)は、発行した側にも、受け取った側にも、一定の期間保存する義務があります。特に、メールなどで電子データとしてやり取りした請求書については、電子帳簿保存法という法律で、電子データのまま保存することが求められています。紙に印刷して保存するだけでは、法律上の要件を満たさない場合があります。

保存の要件には、「後から書き換えられない状態であること」や、「日付・金額・取引先で検索できる状態であること」といった条件があります。会社の規模によって細かい条件が緩和される場合もありますが、いずれにしても、「なんとなく残っている」状態と、「法律の要件を満たして保存されている」状態は別物です。

※ここでお伝えしているのは制度の大まかな考え方です。実際に自社がどの要件に該当するか、今の保存方法で問題がないかは、必ず顧問の税理士の先生にご確認ください。制度は改正されることがあり、細部は変わる可能性があります。

なぜここまで丁寧に書くのか

私たちは、見積書と請求書を自動で作り、自動で送るシステムを作っています。その中で、正直にお伝えしておきたいことがあります。

私たちのシステムは、請求書を「発行する」ところまでは責任を持って作りますが、発行した後の「7年間保存し続ける責任」までは持ちません。

控えについては、お客様がお使いのGoogleドライブや、会計ソフトの証憑(しょうひょう、取引の証拠となる書類のことです)保管の仕組みに、自動で「置きに行く」ところまでは対応します。ただ、そこから7年間、そのデータを守り続ける責任は、システムを使うお客様ご自身にあるという前提で作っています。

あえてここまでしかやらない理由

「保存まで全部やってくれるサービスの方が便利では」と思われるかもしれません。ここは、あえて線を引いている部分なので、理由をお伝えします。

請求書の書き方や保存の仕方は法律で決まっていて、その法律は今後も変わっていきます。世の中の会計ソフトが月々数千円で使えるのは、法改正に合わせてソフトを更新し続ける費用を、利用している全ての会社で割り勘しているからです。

私たちが作っているのは、会社ごとに作る、いわばオーダーメイドのシステムです。オーダーメイドは、この「割り勘」ができません。もし7年間の保存責任まで引き受けてしまうと、お客様が増えるたびに、法改正のたびに、対応しきれない作業がどんどん積み上がってしまいます。それは結果として、お客様にとっても、私たちにとっても、良いことではないと考えました。

請求書を「作って送る」のは一度きりの作業ですが、「保存する」のは7年間続く作業です。だからこそ、発行までのところをしっかり作り、保存の責任についてはお客様の側で担っていただく、という線引きにしています。この点は、契約の際にも書面できちんとお伝えします。

「うちは大丈夫」と思っていても

請求書の保存について、「メールに残っているから大丈夫」「印刷してファイルに綴じているから問題ない」と考えている会社は少なくありません。ただ、電子データでやり取りした請求書を紙に印刷して保存するだけでは、電子帳簿保存法が求める要件(改ざんされていないことの証明や、検索できる状態であることなど)を満たさない場合があります。逆に、電子データのまま、決まった保存要件を満たす形で残しておけば、紙で綴じるよりも管理は楽になります。

保存の要件は、会社の規模や、扱っている請求書の件数によっても変わってきます。「うちの場合はどの要件に当てはまるのか」「今のやり方のままで問題ないのか」は、一般論だけでは判断がつかない部分です。だからこそ、顧問の税理士の先生に、実際の状況を見ていただきながら確認するのが確実です。

それでも、できることはあります

保存の責任そのものは持てなくても、保存しやすくするお手伝いはできます。

  • 発行した請求書の控えを、お客様が指定するGoogleドライブや、お使いの会計ソフトの証憑保管機能へ、自動で送り届ける
  • 日付・金額・取引先で後から探しやすいよう、ファイル名やデータの形式を整える

「保存する場所まで運ぶ」ところまでは私たちの仕事、「そこから先、守り続ける」のはお客様の仕事、という役割分担です。


請求書の保存について、今のやり方に少しでも不安がある場合は、まず顧問の税理士の先生にご相談いただくのが一番確実です。そのうえで、「発行から保存場所への受け渡しまで」をどう自動化できそうかについては、私たちが無料でお話を伺う場を用意しています。お気軽にご相談ください。